ミルフィーユの意味を調べてみた。意外な事実も?
こんにちは。
ミルフィーユと聞くとケーキをイメージされると思います。
または、料理にも肉や魚などを何層にも重ねたものをミルフィーユと呼ぶ事もあります。
個人的にはミルフィーユ豚カツが好きです。あの食感はたまりません。
ミルフィーユとは
ミルフィーユの意味
そもそもミルフィーユの意味ですがフランス語であり、
『mille-feuille』
milleは千でfeuilleは葉。
『千枚の葉』
という意味があるそうです。
ミルクレープもミルが付きます。(千枚のクレープ)
では、何故千枚の葉なんでしょうか?
だいたい三枚くらいのパイ生地で構成されているのが多いと思います。千枚のパイ生地のミルフィーユは見た事ないし、作るのも食べるのも無理でしょう。
お菓子に詳しい方なら知っていると思いますが、パイ生地に秘密があるのです。
それでは、パイ生地の作り方を紹介しながら説明をしていきたいと思います。
パイ生地 基本の作り方
基本配合
デトランプ(粉に水を加えて混ぜた生地のこと)
- 薄力粉 250g
- 強力粉 250g
- 塩 10g
- バター 80g
- 冷水 250ml
- バター 370g
これがパイ生地の基本的な配合です。
薄力粉と強力粉は一緒にしてふるっておきます。
塩を加えて混ぜて、冷たいままのバターをちぎりながら加えていき、手ですり合わせるのです。(下線のバターはあとで使用する。)
冷水を入れて混ぜ合わせていき、だいたいまとまってきたらボウルから取り出して、丸くまとめます。表面が少し滑らかになったら十字の切り込みを入れます。
デトランプは乾かないようにラップをするかビニール袋に入れて冷蔵庫に1時間以上は休ませて下さい。
休ませる理由
まとめ終わった直後のデトランプはグルテンの弾力が強すぎて、縮みの原因になります。休ませる事で弾力を弱める目的があります。
また、生地の水分を全体に均一に行き渡らせる目的もあり、生地のなめらかさと柔らかさが出てきます。
デトランプでバターを包む
下線のバターは冷たいまま綿棒で叩いて今回の配合だと25cm四方の大きさに伸ばします。
デトランプに入れた切り込みから四方に開いて四角い状態にし、バターよりひとまわり大きく伸ばします。
生地の四隅が真ん中にくるようにバターを包みます。合わせ目はしっかり閉じて下さい。
この時点でデトランプ+バター+デトランプの層になりました。
生地を伸ばして折り込む
次に幅はそのままで縦に約3倍の長さまで綿棒で伸ばします。(約75cm)
それを手前1/3を折りたたむ。次に向う側の生地を重なるように綿棒で転がしながらおさえる。3つ折りと言います。
3枚重ねになるので3層になります。
生地を90度回転させて、同様に長さを3倍にして3つ折りします。
3層を更に3枚重ねになり9層になる。
3つ折りを2セットした時点でビニールで包み冷蔵庫で1時間休ませる。
この工程を後2回繰り返します。
9層⇨27層⇨81層⇨243層⇨729層
約730層にもなり、見た目では全然わかりません。千枚までは行かなくても、それに近いところまでの層になっているのです。
生地を伸ばして焼く
後は生地を薄く伸ばして好きな形にして焼きます。
これを焼く事であの独特のサクサクした食感になるのです。
何故、サクサクしているのかと言うと、デトランプとデトランプの間に入っているバター のお陰です。
バター は加熱される事で高温になって溶けます。また、バターには約16%の水分が含まれており、加熱によって水蒸気になります。
その水蒸気で薄く伸ばしたデトランプが持ち上げられながら加熱されて隙間が出来ます。
更に加熱が進むと、デトランプは溶けたバターの油脂で揚げられていくように火が通るため、水分を飛ばしながらパリッと焼けて行くのです。
一枚一枚パリッっと焼きあがるとあの独特の層になります。
ミルフィーユのような板状のパイは重しを乗せて焼き上げます。
重しを置かないで焼くと、パイはよく浮き上がります。
また、焼く前にフォークなどで穴を開けます。
今度ミルフィーユを良く見て下さい。小さな穴がポツポツ空いているのが分かると思います。
ピケと言って、全体を均一に浮かせるのにやります。
わかったこと
ミルフィーユが何故サクサクしているか分かりましたか?
あの一枚の板状のパイは約730層も重なり合って出来た生地だったのです。(この層の数はあくまでも基本の数字であり、これよりも少ないのもあれば多いのもあります。)
しかし1枚1枚とっても薄い層なので湿気にとても弱いと言う弱点があります。
食べてフニャッとしたことないでしょうか?おそらく作ってから時間が経ち過ぎたものです。
湿気防止のため粉砂糖を焼けたパイにかけて表面を焼き、アメ状にしていることが多いです。ツヤツヤしたパイを見たことないでしょうか?
また、チョコレートを薄く塗ったりすることもあります。
カスタードクリームとの相性が抜群に良いのでパイを湿気から守るのは非常に重要になります。
また、パイ生地はバターを使う生地なので実は自宅で作るのは温度管理が難しいのです。バターの温度が上がってしまうと、べたついてしまいとっても作業が難しくなってしまうのです。2回折り込んで冷蔵庫で休ませるのにはバターを冷やす意味も含まれています。
それでも自宅でどうしてもパイ生地を作りたい場合ですが、夏なら朝の涼しい時間でエアコンをかけて室温がせめて20度以下になればいいのですが。
冬はパイ生地作るにはいい季節です。
でも、スーパーや通販サイトで売っている冷凍パイシートはとっても便利ですね。
自宅では難しい方は是非冷凍パイシートをオススメします。
まとめ
ミルフィーユは実はすごく昔からありました。今とほぼ同じ形のは1867年くらいにはあったそうです。ただカスタードクリームではないミルフィーユっぽいのは1742年くらいにあり、これが原型と考えられています。
ミルフィーユに使う折り込みパイ生地はもっと昔からあったそうです。1311年にパイ生地のお菓子について書かれた本があるみたいですね。
1300年代の日本はと言うと鎌倉幕府が滅亡して、室町時代に変わっていくころですかね。
日本にミルフィーユが入ってきたのは幕末から明治にかけてと考えられているそうです。以外にも昔からあったみたいですね。当時の人はどうやって食べていたのか興味が湧きます。
ミルフィーユの食べ方ですが、上からフォークをさしても潰れてしまうと思います。
横に倒してフォークで切って食べるのが美しく食べる方法と言えます。
最後にここまで散々ミルフィーユと書いてきましたが、フランス語で正しい発音は
『ミルフイユ』
らしいです。
ミルフィーユだと『たくさんの女の子』になってしまうとか。